バンドウジロウ(タイポグラフィ作家/グラフィックデザイナー/音楽家)のブログ。
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GIFアニメ
昨年の「超タイポ」展に向けてかなり描いたスケッチを発掘。
次のZINEで使えるかなと思っていますが、 思い立ってGIFアニメにしてみました。
PhotoshopのGIFアニメ機能は楽でいいですね。

typography by jiro bando

最近の制作
暖かくなってきましたね。最近の制作から少し紹介します。

より絵画に近づいたペイント作品。


Tシャツ試作品。又吉直樹の小説「火花」に登場する先輩漫才コンビの名前から引用。大阪らしいどぎつい配色予定。

その他、コラージュ作品も実験中。
飼いならされない人(1)


2/4まで六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」にて開催されていた、中沢新一ディレクションによる「野生展」。注目する南方熊楠はじめ興味深い展示内容でしたが、函館での高校時代とても身近にいた彫刻家・根本勲氏(故人)の作品と対面することが出来ました。
造形作家・ミヤタケイコさんのツイートからこの展示を知ることになりました。大感謝です!

最終日滑り込みで観られたのですが、会場に入ってすぐのアクリルケースに入った大きな「這い熊」という木彫が、柴崎重行+根本勲による作品で珍しい共作。
※八雲町の木彫り熊資料館に展示してあったこの作品に中沢氏が注目して今回の出品に繋がったらしいです。

博物館などでなく、最新のデザインやアートを紹介してきた21-21で(しかも中沢新一氏のディレクションで)観られるとは・・、感無量でした。
自分も初めて接する作品ですが、長年屋外で雨ざらしになっていたため半ば朽ちかかっているものの、大きなフォルムや左手の大胆な面取りなどに根本作品の特徴が感じられました。




経緯を少し・・。
自分が小6、兄が中3年の夏のことですが、 会社員の父による家庭内暴力から逃れて母子三人、旭川から函館に移住し、父に親権がある僕ら兄弟と旧姓に戻った母との新生活が始まりました。
着物着付け教室の先生として仕事を始めた母は、それ以外に木工芸品を作る民芸研究所の繁忙期に手伝いに行ったのがきっかけで、そこの主である根本勲(号=土龍)氏と出会い、後に再婚することに。

先妻に先立たれた初老の彫刻家・根本氏は、東京の公募団体の会員でもあり、抽象の木彫作品を毎年出品していましたが、大胆なデフォルメや面取りによる表現は半具象や工芸作品にも反映されており、どれも芸術性の高い個性的なものでした。
行動的な母はあっという間に影響を受け、40代にして彫刻を始めることに・・。

写真が無いので、記憶を元にスケッチしました。



根本氏は自分にとっておじいさんぐらいの年代だったため、特に複雑な感情もなく交流がはじまりました。高校入学と同時に下宿生活になった自分はよく二人のアトリエ兼住居に遊びに行き、ノミの音を聞きながらギターの練習をしたり様々な美術関係の本を見ていました。
彼は彫刻家らしいがっしりした体格でしたが性格は穏やかで、笑顔からは優しさが滲んでいました。彫刻を押し付けることもなく、ただそこに居て黙々と木を彫っていたことが印象に残っています。

久しぶりに根本氏の略歴を確認しました。
1904年 福島県に生れ5才にして渡道
1925年 早稲田大学に学び會津八一氏の叱声をうけ彫刻家としての将来を決定 ※専攻は哲学
1931年 帰道して八雲農民美術研究会員として木彫工芸を研究
1946年 大阪市立美術研究所にて保田龍門氏に師事
1948年 再び帰道して彫刻に専念、その後読売アンデパンダン、二科会を経て一陽会彫刻部会員となる
1951年 函館陶芸研究所土龍窯を開設、函館焼の研究に没頭、続いて函館民芸研究所を開き木工芸品の制作に当たる

前述の「這い熊」は、柴崎重行氏とともに八雲町の農民美術研究会を脱退後、道内を放浪していた時期の作品らしいですが、推定30歳ぐらい、心身ともに充実していたのでしょう。そうした若い頃のワイルドなエピソードも今回始めて知りました。
その他、會津八一からの教え(美術史、仏教etc..)読売アンデパンダンのこと、など今だったら聞きたい事が多いですが叶いません。

・・・・・
当時の自分ですが、なんとなく美術に対する憧れはあったものの、この時期はなによりギターが好きで「自分も彫刻をやろう」と思っていたわけではありません。結局、母の強い希望で美大の彫刻科に進学したものの全く肌に合わず、精神を病みました。
その後、自分の上京と並行して、彼らは長野に家を建てて制作を続けていて、そこには二三回行きましたが、その後は自分の道を歩くために距離を置くようになっていきました。

根本氏の最期については、ずいぶん後に久しぶりに会った母から聞きました。
最晩年にお会い出来なかったのは残念でしたが大往生だったろうと思います。

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冒頭の「野生展」。
キャッチフレーズは「飼いならされない感覚と思考」です。
自分は彫刻の道には進みませんでしたが、今回の件から回想する中で、多感な高校時代に根本氏というまさに「飼いならされない人」と出会えたことがあらためて貴重なことだったと感じているところです。

もう少し掘り下げたいですが初回はこんなところで。

「野生」というテーマの元であろうレヴィ=ストロースや南方熊楠の思想と根本氏の「哲学から土着的な文化(民芸・工芸)」という興味の動きに通底するものを感じますが、もう少し勉強してそのあたりも後日書ければと思います。
2018年賀状
今年の年賀状をアップしておきます!

干支と仏教の接点を無理やり探し出す、
というテーマで始めて7回目になりました。
2015年の未年「ひつじ」だけ聖書に助けを求めるという禁じ手もありましたが
それ以外はなんとかやってこれました。

あと5回。
亥(い)、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)
を残すのみですが、なんとか行けるのではないでしょうか。

さて、今年ですがこんな感じです。


typography by jiro bando

今回は禅の公案(禅問答のお題のこと)から引用しましたが、
禅問答ですから答えは受け取った方に考えていただく形にしました。
興味有る方は検索などしてみてください。

禅の言葉はなぜか直線的なデザインになりがちですが、
今回は少し柔らかさも出したかったので、
スプレーでのステンシルでアナログ感を加えました。

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最近、アクセスが増えているのですが
pinterestで知ってくれた方も多いようです。ありがとうございます!
ネットショップ「月餅商店」では、このブログでも度々紹介してきた
アートブックやTシャツなど販売しておりますので、
是非こちらもよろしくお願いいたします!
https://geppei.thebase.in/
新年のごあいさつ
新年明けましておめでとうございます!

昨年は、活動の数は多くなかったですが、
一つひとつが重要で収穫が大きかったと思います。

まず、一年間ぐらいの成果を6月の個展で発表できました。

また、オリジナル作品の重要なテーマとしてきた「仏教」が、
日蓮宗という宗派のお仕事につながるという大きな進展もありましたし、
宗派の垣根を超えて仏教の新しい形を模索する
僧侶の方々との交流が広がりそうな兆しもあります。

今年は幅広いフィールドでタイポを中心とした
デザインを活かせる場が増えればと思っています。

情報発信も心がけたいと思いますので、
本年もどうかよろしくお願いいたします!

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年末にお伝えしていました、
三越伊勢丹冬のクリアランスセール広告、の件ですが
クリスマスぐらいから都内でCMやポスターの掲載が始まっています。
地方ではテレビCMも放映されているのではと思います。

以下、年末に新宿伊勢丹がある新宿三丁目駅周辺の地下道で撮ってきた写真です。
CMはいくつかのCMがループになっている数分中のひとつですが
カラフルなイメージの中で、自分が描き起こしたタイポがリズミカルに動いていて、
かなり目立つムービーになっています。
東京メトロ、JR、のドア上の電子公告でも流れています。
※動画は撮影が難しいため画質はご勘弁を。実物はきれいですよ!





壁面タイポ
大晦日ですね。

今年最後の投稿は、
今月、壁面にタイポを描かせていただきた「一般社団法人・寺子屋ブッダ」さんの
オフィスでの作業の様子をお伝えしたいと思います。
7年前に革ジャンの作品として取り上げた「諸行無常」ですが、
横長の黒板に合わせて、新たにデザインしました。

「寺子屋ブッダ」さんは、市民とお寺と僧侶との新しい関係作りをテーマに
様々な活動をなさっている組織です。
http://www.tera-buddha.net/

以下、メイキング写真と完成画像です。





完成!


typography by jiro bando

今年一年、ブログを見てくれてありがとうございました。
6月の個展を始め、大きく前進できた一年だったと思います。
後半は投稿少なかったですが、
来年はもっと多くの情報を発信できるように努力したいと思いますので
引き続きよろしくお願いいたします!

バンドウジロウ
最近の仕事/三越伊勢丹
年末ですね。最近の仕事を紹介します。



「三越伊勢丹グループ 2018冬のクリアランスセール」広告で
和文ロゴタイプ(タイポグラフィ)を担当しました!
※制作は(株)スタジオ・ユニ(AD:林和昭)

今年よりセールのスタートが1週間も早まっており、
既にWEBには掲載されています。
http://www.miguide.jp/clearance/201801/

ムービーでは文字を大胆に動かしてもらってすごく嬉しいです。
※放送前につきこのサイトのもの(YouTube)は解像度低めになっているようです。

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CM放送は、
新宿三越伊勢丹BSCM12月29日から
イセタンセントレアCM12月25日から
岩田屋三越CM12月26日から
静岡伊勢丹CM12月30日から

その他
トレインチャンネル(東京メトロ・JR埼京・京浜)
新宿三丁目メトロコンコース
新宿三丁目丸の内線構内ポスター
アイビジョン
電飾看板
などが12月25日から掲載スタート、とのことです。

年末年始、東京の方も地方の方も、眼にしていただける機会が多いと思いますので
是非よろしくお願いいたします。

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<月餅商店>
<タイポグラフィ作品の記事一覧>
<新作アートブック取扱店情報>

龍口テラス
久しぶりの投稿です。3ヶ月も空いてしまいました。

前の記事で日蓮宗の「龍口法難750」の仕事について書きましたが、
2020年の法要に向けて、キャンペーンが始まっています。
基本的には湘南(藤沢市片瀬)の寂光山・龍口寺での行事に合わせて
寺フェス「龍口テラス」という形でイベントを行っていきます。

11月21日は宗祖・日蓮大聖人の命日である「御会式(おえしき)」での龍口テラス。

好天に恵まれて穏やかに開催されました。(早い時間帯の撮影ですが、その後賑わってきました。)
制作したロゴはのぼりになったり様々に展開されていました。
ロゴカラーの青色は湘南という立地からのセレクトでしたが、 晴天の空に映えていて、選択が間違っていなかったことに安堵しました。

今回は一般の方々に混じってイベントにも参加。朝一の「唱題行」では日蓮宗の修行法を短時間体験。「中華なお寺ごはん」では鎌倉の凛林さん提供による手の込んだ中華精進を味わいながら横須賀の静円寺住職・石本真教上人の法話を拝聴。まだ30代の方でしたが、ユーモアのある巧みな話術で引き込まれました。





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近況。
更新が滞っていました。

変な天候の夏でしたがあっという間に秋になってきましたね。
近況を少し・・。

個展をやると当然いろんな刺激があります。
例えばアメリカ人のお客さんに作品説明する際に、ただでさえ貧弱な英語力なのに仏教の話になるとさらに難儀しました。その反省から最近、英語での仏教の勉強を初めています。日本の仏教は中国経由のため漢文がお経として定着しています。難しい漢字の羅列からかもし出される神秘性や文学性はとても魅力的ですが、それが仏教の敷居を上げてしまっていることも事実。中村元氏がサンスクリット語から直接日本語に翻訳した「ブッダのことば(岩波書店)」など初期仏典のシリーズは、そのわかりやすさゆえ長年ベストセラーを続けています。
今のところの感触では英語のほうがわかりやすいんじゃないか?と思える部分も多いです。とにかく英語の勉強は3日坊主になりがちなので、なんとか続けたいもんです。

制作の方は、1年ぐらいの試行錯誤を6月の個展で吐き出したので、展示後はさすがに脱力状態が続きましたが、暑い期間も個展での反応を振り返って次への準備作業は続けていました。最近ようやく活力が出てきて様々なアイデアが湧いてきたところです。

受注のお仕事としては、ご縁があり2020年に行われる日蓮宗の大きな法要「龍口法難750」(りゅうこうほうなんと読みます)の広報関係のデザイン作業に今年初頭から取り組んできました。大きな仏教宗派からのご依頼という願ってもない機会ですし、50年に一度という重要な行事ですから丁寧に取り組んでいます。ロゴタイプは既に完成しこれからポスターなども制作します。日蓮についてもこの機会に「立正安国論」など読んで知識を増やしているところです。

★龍口法難(龍ノ口法難)という事件に関しては下記龍口寺サイトを御覧ください。
http://ryukoji.jp/02histry.html

あと、展示があると自分の制作に追われてインプットが足りなくなりますからいろんな展示にも足を運んでいます。国際展では大規模な東南アジアの現代美術展「サンシャワー」やほぼ毎回行ってる「横浜トリエンナーレ」など・・。インターネットによってますます均質化して窮屈になる世の中、アーティストの超越した視点による表現の必要を強く感じたしだい。自分も活性化されました。

釈迦如来の真言/解説
先月の個展で中心的だった真言の作品に関して、
意味を聞かれることが多かったので、あらためて解説します。

「釈迦如来の真言」
真言宗では大日如来が根本仏とされていますが、専門家に聞いた所もちろん釈迦如来も重要ですからこの真言もよく唱えます、とのことでした。
ちなみに「のうまく・さまんだ・ぼだなん」までは真言の定型文で、最後の種子(しゅじ)のみ差し替えたものが多数あります。


typography by jiro bando

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のうまく・さまんだ・ぼだなん・ばく
[訳]あまねき諸仏に帰依したてまつる。バフ。

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のうまく(ナウマク、ノーモー、とも発音)
南無、帰命、敬礼

さまんだ(サンマンダ、とも発音)
普遍、三世十方

ぼだなん
諸仏、十方三世無量無数の諸仏

バク(バフ、ハクとも発音)
種子のバクは世尊(バガヴァッド)または有(パヴァ/欲界色界無色界の三有)の頭文字をとった。
※種子(しゅじ)とは、仏尊を象徴する一音節の呪文(真言)のこと。

<参考>「真言陀羅尼」坂内龍雄著(平川出版社)

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自分が真言をよくモチーフにする理由は、
・仏教の哲学性とは対照的な神秘性を感じる。
・なんらかの浄化作用があるであろう。
・漢字が入らないため、アルファベットのように文字を図形的に扱えて、
ロゴやシンボルのような象徴的な表現がしやすい。
などです。日本語での表記は、ひらがな・カタカナ両方使われますが
今のところ、より自由度の高いひらがなを多く採用しています。