バンドウジロウ(タイポグラフィ作家/グラフィックデザイナー/音楽家)のブログ。
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悪人の自覚
 仏教関係の本はここ2〜3年いろいろ手を付けていますが、学術的研究をするわけではないので読みやすいものに手が伸びます。最近読んだ中でベストは、弁護士であり熱心な仏教徒でもあった遠藤誠氏(2002年没)の「般若心経-for biginners(現代書館)」。般若心経の解説本は何冊か読みましたが、短いお経ゆえ必然的に「寄り道」が多くなり著者の個性がダイレクトに出てきます。これは「ロックな仏教本」でした。遠藤氏は弁護士という仕事を、人間の欲望と執着ゆえにメシが食える「釈迦の教えに真っ向から反した職業」と自認されている。そこから出てくる言葉はリアルで辛辣。こうした「悪人の自覚」は宗教者として基本だと思います。仏教の伝道で知られる作家諸氏、岡本かの子(岡本太郎の母)、瀬戸内寂聴、五木寛之、などいずれも悪人の自覚(罪の意識)から仏門に入られている。さらに梅原猛、河合隼雄など仏教に造詣が深い知識人の多くもこの意識を強く持たれています。そして今挙げた方々の人相にもそうした厳しさが表れている。
 佐藤優氏によると、現代日本において罪の意識を持ち得るのは「上流」と「最下層」のみで、その中間層は(世間様に対する)「恥の意識」しか持ち得ないという。上記の方々は全員「罪の意識を持ち得る上流階級」だと言えるかもしれません。
 遠藤誠氏の話に戻ります。どの宗教も本来「法律」以前の「法」として機能していました。仏教は明治まで「仏法」と読ばれていたわけですから、遠藤氏のように「法律の専門家であり宗教者でもある」というスタンスはとても理にかなったことだと思うのです。