バンドウジロウ(タイポグラフィ作家/グラフィックデザイナー/音楽家)のブログ。
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日本国憲法改正草案について
参院選が近いですね。

自民党の憲法改正草案に関しては読まれていない方も多いようですが、発表された2012年(平成24年)から下記の自民党のサイトでだれでも閲覧(&ダウンロード)できるようになっています。
http://constitution.jimin.jp/draft/



現行憲法と対比されていて、変更箇所は線も引かれていてわかりやすいので、是非ご一読をおすすめします。最終的に自民党が目指す方向に賛同できるかできないか、有権者一人ひとりが判断を迫られています。

実はそれまでまともに憲法を読んだことがなかったのですが、弁護士・伊藤真さんの本をナビゲーターにしながら読んでみて、権力者の暴走を縛るための憲法が国民を縛るためのものにすり替わる、要するに「立憲主義の否定」という大問題に危機感が募り昨年の一連の作品にもつながりました・・。

とりあえずは、改憲案の第98条と第99条に新設されている「緊急事態宣言」に関する条文が話題になっていますが、いくつかの条文の細かな言い回しの変更からも権力者側の意図が見えてきます。

例えば、以下の2つ。
第11条・現行「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。〜」
 →第11条・改正案「国民は、全ての基本的人権を享有する。〜」

第19条・現行「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」
 →第19条・改正案「思想及び良心の自由は、保障する。」

簡潔にしたと言われればそれまでですが、現行憲法からは、人権の享有が妨げられたり、思想や良心の自由が侵された歴史と、それに対する反省や切実感が感じられます。改正案はそれらをリセットして歴史的背景が消されてしまった印象があります。
※また、11条の補足的役割にとどまらず、苦難に満ちた人権獲得の歴史を実感できる名文である第97条はばっさり削除です(泣)

現行憲法は、アメリカから押し付けられたと嫌う政治家も多いですが、当時の最先端でありグローバルスタンダードなものです。と同時に欧米の憲法には根底に一神教的な神の視点があって、そこが日本人に馴染めなかったのかなとも思います。
上記の第19条(現行)でいうと、法とその背後にいる神が思想及び良心の自由を侵してはならない、と言っているように感じられますが、改正案は「政府が」保障してあげるという印象で、施政者の上から目線を感じます。

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