バンドウジロウ(タイポグラフィ作家/グラフィックデザイナー/音楽家)のブログ。
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マシュー・カーター氏のタイプデザイン
10数年も前の話ですが、
Too主催のタイプデザインセミナー受講時のメモが出てきました。
20代の多くを費やしたミュージシャン活動から一旦離れ、
アートディレクター2人のもとでグラフィックデザイン修行、
そして見切り発車的にフリーランスで仕事を始めた時期。

大学では彫刻専攻だったため、デザインに関しては師匠の見よう見まね以外に
カルチャーセンターでシルクスクリーンを習ったり、
こういったセミナーで勉強していたわけです。

文字全般には最初から興味がありました。
和英問わず完成度の高い(普遍的な)書体、
当時流行していたネヴィル・ブロディの大胆なタイポグラフィ、どちらも
見ればみるほど、骨格やフォルム、構成など重要な要素が
タイポグラフィと彫刻で共通していることに気がついて行きました。

フォントグラファーというソフトの登場、
エミグレなど斬新なタイポグラフィによるグラフィック誌の影響で
オリジナル英語書体を作るのがはやってきたのもこの時期だったと思います。

初心に帰る意味で、メモを見ながら思い出していきます。
講師はイギリスの著名なタイプデザイナーのマシュー・カーター氏。
最前列に浅葉克己氏と息子さんが陣取っていたのを覚えています。


※クリックで拡大(memo by jiro bando)

メモの一行目に書いてあるのは、
カーター氏が新規にアルファベットをデザインするときの順番です。
小文字の「h」から始めて「o」「p」「v」「i」ときて、やっと「a」。
Aから作るわけではないんですね。

特に「h」にはアルファベットの主要な要素が凝縮しているため
重要だとおっしゃっていました。
「h」のデザインがn、m、u、r、yなどにつながり
「o」を決めると、e、cの形も決まる、
同じく「p」はb、d、q、gなどへ。「v」はw、yへ。
これで書体の「基礎ができる」と記されています。

個々の字のフォルムやボリュームに関する話の後は字間に関する話。
一定量の水が入ったビニール袋を文字と文字の間に入れるイメージによって、
距離ではなく体積(面積)で字間をとらえていく方法、
フォントグラファーやイラストレータでのパスの扱い、
特に曲線でのアンカーポイントを置く位置など、
2日間という短い時間でしたが非常に充実していたことを記憶しています。

自分はこのセミナー後も、書体(フォント)制作には向かいませんでしたが
(日本語と英語の違いはあれど)第一線の技術を垣間見たことが、
その後の文字組やロゴタイプ作り、
現在のオリジナル作品制作に生かされていることは確かです。

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