バンドウジロウ(タイポグラフィ作家/グラフィックデザイナー/音楽家)のブログ。
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「経典」と「可読性」のこと。
今回の個展では「理趣経」という密教経典を取り上げています。

きっかけになったのは
「必生 闘う仏教(佐々井秀嶺著/高山龍智編)集英社新書」に、
理趣経の十七清浄句が紹介されていて、人間味を感じる内容に惹かれたのです。
その後「理趣経(松長有慶著)中公文庫」を読んで、
さらに引き込まれてしまいました。

しかし本来密教の経典・真言・印などは
師から弟子へ面授(めんじゅ)によって伝えられるもの。

今回は幸運にも、真言宗智山派の僧侶・高橋照和氏、佐々木大樹氏、
お二人から簡単なレクチャーを受けることができました。
この経典が「仏の立場から悟りの世界を表現した経典」であること、
絶対平等の立場、など短い時間でしたが重要な部分を教示いただき、
その後の制作も必然的に変わってゆきました。

結果的に、今回モチーフにした十七清浄句のいくつかは、
単なる幾何形体にしか見えないほど、
可読性ぎりぎりに単純化・抽象化する方向に向かいました。

これは、自分も含めた初学者にとっての
「経典」の難しさを表現したことにもなりますが、
別な角度から考えると、
あらゆる経典を暗唱し完全に身につけてしまった高僧にとっては
「経典(=紙に定着された文字)」自体が必要なくなる、
ということにも繋がるかと思います。
つまり、バラバラに解体されて空中に消えてゆく途中経過としての
(幾何形体的な)文字表現・・。

展示に来ていただいた方々と、
可読性・非可読性についての話題も何度か出る中で
そのあたりが今後のテーマになりそうな予感を感じています。
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