バンドウジロウ(タイポグラフィ作家/グラフィックデザイナー/音楽家)のブログ。
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タイポの話3「篆刻」
篆刻(てんこく)は美術の課題で教えた経験があるので一定の知識はありますが、今依頼されている件で詳しく調べる必要があり、昨年台北の国立故宮博物院で入手していた印章の本(2007年の展示カタログ)を参照。ざっとしか見ていなかったのですが、時代ごとに分類されていて勉強になるし、さすがにいいものが多数ありました。珍しくPinterestも見てみたんですがあまりいいのはなかった・・、やはりネットだけに頼っていてはだめですね。
※篆刻とは印を彫る(刻す)こと。篆書体を使うことが多いため篆刻と呼ぶ。

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タイトルの「印象深刻」とは印象深いという意味らしいですが、印章→印象、篆刻→深刻、とかけてあるんですね!


以下は現代作家のページ。どれも美しいです。★クリックで拡大

篆刻というと均一にスペースを埋めてデザインするのが基本ですが、中程の王王孫による「達雲」は典型的な篆書体を使いながら「達」の縦線を伸ばすために「雲」の下方にスペースを空けて上に昇っていくようなデザインになっています。上密下疎(上は密、下は疎)という手法があるようですが、これは極端な例でしょうか、面白いです。

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タイポの話2「タイポ@会津」
ちょっと前ですが、法事で会津若松に行ってきました。
結婚するまで会津の知識はあまりなかったのですが、興味が出てきて少しずつ勉強しています。2013年の大河ドラマ「八重の桜」も面白かった。思えば出身高校が函館の五稜郭近くだったり、流山は仕事で関わったり・・、どうも新撰組や戊辰戦争に縁があるようです(笑)。

では、帰りの列車までの空き時間に見つけたタイポを紹介します。

会津葵という菓子店の暖簾です。伝統的な書体ですがバランスもよく堂々とした印象です。よく見ると「會」の文字の点が左右で縦と横になっているのが面白いですね。


店内に入ると、上の方に飾られていた鶴と亀の凧に眼が釘付けに・・。
かなり崩してあるのですが、しっかり読めるしなにしろ形が面白い。
※高い位置にあったので、残念ながら亀の方は上手く撮れませんでした。

こちらは、そのお店が経営する喫茶店の暖簾です。

さっきのものとは趣が違って、遊び心を感じる親しみやすい書体ですね。

お菓子のパッケージと店外ののぼりも共通の書体です。


この文字、気楽さの中のしっかりした造形力は只者ではない気がして、店員さんに尋ねたところ「岡村吉右衛門」という故人によるものとのこと。そしてネットで調べるとなんと大好きな芹沢げ陝覆韻い垢院砲猟鏤劼世辰燭海箸判明して驚きました。

さっきの凧も岡村氏の作かもしれませんが、今度確認したいと思います。
短時間でしたが発見があって有意義な時間が持てました。


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タイポの話1「バンドのロゴ」
昨年からワークショップやトークも始めましたので、タイポについてもう少し語っていこうと思います。とはいえ定期にしたり、内容を計画したりすると長続きしないだろうと思いますので(笑)、思いついた時につらつらと書いていきたいと思います。たまには役に立つ話もあるかもしれませんので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします!

まずグラフィックデザイン関係者以外では「タイポグラフィ」ということばをご存じない方も多いようです。もともとは印刷物のために活字を美しく組んでいく技術のことでしたが、活字から写植、デジタル書体と進化し、コンピュータ(&アプリ)の進化とともにグラフィックデザインの自由度も広がる中で、本文組みから手描きのタイトル文字・ロゴタイプなども含め、文字デザイン全体のことをタイポグラフィと呼ぶようになってきました(日本だけでなく海外でもそのようです)。自分がやっていることはそうした広義のタイポグラフィであることは最初にご理解ください。

文字を扱うことばとしては他に「レタリング」「カリグラフィ」などがありますが、それらは伝統的な書法に基づいて手描きのみで仕上げていくため、自由にデザインしてPCも多用する自分の作品はレタリングやカリグラフィと呼びづらいものがあります。(海外の方にはcalligraphyと説明することも多いですが。)

さて自分の作品制作に関しては、音楽を作ったり演奏したりするのと近い感覚でやっています。モチーフになることばを歌詞とするならば、文字デザインによって、作曲アレンジを施す、みたいな感じです。なので作品を観て「リズムを感じる」などの感想をいただくと非常に嬉しいです。

そもそも文字デザインにインパクトを受けた最初の体験が音楽的なものです。中学生時代、大好きなロックバンドのロゴをよくノートに描いていました。KISSとかYESとか・・。当時はロックバンドというとロゴがありまして、自分にとっては音楽とジャケットとロゴは同等に魅力的なものでした。グラフィックデザイナーという職業も知りませんでしたが、知っていたらストレートにそっちを目指していたかもしれません・・。


シンプルで直線的。ひと目で印象に残ります。あらためて見ると2つの「S」は角度を変えていますね。


YESのジャケットデザインを担当していたロジャー・ディーンによるもの。KISSとは対照的に曲線的なフォルムが美しい。文字どうしの重ね方、つなげ方も見事。


すごく美しいとは思いませんが、規則性のない崩し方にロックを感じます。

その後、ロゴなど作らず毎回新しいアプローチでジャケット・デザインを行うアーティストも増えたように思いますが、新旧のlogoを集めた下記サイトを見ると最近でも効果的にロゴタイプ/ロゴマークを使っているアーティストはいますね。
http://www.creativebloq.com/logo-design/band-logo-12121502
 

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